日本頭痛学会

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非外傷性くも膜下出血に伴う頭痛の特徴

Grory BM, et al. Distinguishing Characteristics of Headache in Nontraumatic Subarachnoid Hemorrhage Headache 2018; 58:364-370

 

【導入】

 くも膜下出血(SAH)は、生命を脅かす緊急事態であり、その多様でしばしば微妙な症状のために見落とされることがある。 SAHの最も一般的な症状は重度の頭痛である。 SAHに使われる古典的な形容詞は"雷鳴"であるが、しかしながら、これは文献的には明確に定義されておらず、臨床診療において重度の頭痛を呈している患者を、その症状だけでトリアージすることは困難である。

【方法】

 三次医療センターにおいてSAHに伴う頭痛の臨床的特徴を調査する前向き観察研究を行った。 アメリカのYale New Haven病院の救急部と神経科学集中治療室から18歳以上の患者を登録し、頭痛について、最大強度までの時間、部位、関連症状、および悪化の原因となった活動について臨床的特徴を記録した。

【結果】

 158人の被験者が登録され、そのうち20人がSAH(平均年齢55±15歳、女性60%)で、138人が非SAH(平均年齢41±16歳、女性76%、片頭痛が14%)であった。 特記すべき特徴は、後部部痛(SAH群で55%、非SAH群で22%、P <.001)、穿刺様の痛み(SAH群で35%、非SAH群で5%、P <.001)、前哨頭痛(SAH群で50%、非SAH群で83%、P = .002)、髄膜症の随伴(SAH群で80%、非SAH群で42%、P = .002)であった。 SAH患者の65%は、頭痛が発症1秒未満にピークに達したが、非SAH患者ではわずか10%であった(P <.001)。また労作時の発症(SAH群で70%、非SAH群で6%、P <.001)も特徴的であった。

【結論・コメント】

 これはSAHに伴う頭痛の臨床的特徴を詳細に検討した初めての研究である。 本研究は、SAHに伴う頭痛の臨床的特徴が、他の頭痛症候群に関連するものとは異なること、および救急の現場で頭痛を主訴とする患者をトリアージする際に有用であることを示唆している。

 SAHに伴う頭痛の特徴として"バットで殴られたような激しい痛み"がよく用いられているが、本文献では、1秒未満にピークに達する頭痛、穿刺様頭痛、後頭部痛、髄膜症がSAHを鑑別するための特徴であると強調されていた。

文責:仙台頭痛脳神経クリニック 松森保彦