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日本頭痛学会 ニュースレター31号

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1) 日本頭痛学会 監事 山根清美先生よりご寄稿

2) 第46回頭痛学会総会演題募集のご案内

3)日本頭痛学会専門医委員会からご案内

4)群発頭痛の在宅酸素療法の保険適用承認について

5)最近の頭痛研究トピックス(広報委員会から最新の論文をご紹介)

【1】日本頭痛学会 監事 山根清美先生よりご寄稿

脳幹性前兆を伴う片頭痛(脳底型片頭痛)に魅せられて もう30年くらい前の話です。同じ病院に勤務していたナースが突然、何も見えなくなり激しい後頭部痛に襲われました。直ちに診察を求められました。 よく話を聞いてみると仕事中に突然相手の左側が見えなくなり、その3分後に視野全体がきらきらと輝いて見えなくなったとのこと、診察時は大分見えるようになっていましたが回転性めまいと歩行時のふらつき(失調症)がみられました。 入院治療としましたが入院数日後に2日間位のエピソード記憶がないことに気付きました。一過性全健忘でした。 奇異な症状を示す本例を診たとき精神疾患や脳血管障害や片頭痛などが鑑別に浮かびましたが教科書をみても類似の記載がありません。 片頭痛の視覚性前兆である閃輝暗点は視野の一部または数カ所から始まり、ゆっくりと拡大していくもので、突然(数分内に)全視野が見えなくなるという記載はありませんでした。 また回転性めまいや失調性歩行、一過性全健忘などの症状が片頭痛では説明できないと思いました。 当時はPubMedなどの検索法がなく種々の教科書や手に入れることの出来る範囲の文献を当てもなく調べました。 ようやくBrau先生の編集された「Migraine」という専門書に類似の症状を記載した箇所を見つけました。それはBickerstaffが提唱したBasilar artery migraine(脳底動脈型片頭痛)の記述で、悩んでいた症状がすべて説明できるものでした。 (注:脳底動脈型片頭痛は1988年の国際頭痛分類第1版に採択され脳底片頭痛、第2版では脳底型片頭痛、第3版β版では脳幹性前兆を伴う片頭痛と病名が変化しました)。 知らない病気に接した驚きと喜びが同時に起こりました。苦労して診断した最初の1例がその後の臨床研究へと導いてくれました。それ以来頭痛の患者さんを診る際は本疾患を念頭に置き病歴聴取を行うようにしました。 症例が蓄積するにつれてわかってきたことは多くあります。文面が限られているので私の臨床研究の一部を紹介します。 前兆としての視野障害が一般の前兆のある片頭痛と異なり、同名性あるいは全視野性で、しかも突然生じることが特徴です (一般に閃輝暗点は拡延性抑制で説明されますが本疾患ではその機序で説明できず、むしろ血管性機序によると考えています)、さらに意識障害(失神が多いが、昏睡に至る例もあること)や一過性全健忘の原因の一つとなること、不思議の国のアリス症候群の合併が多いこと(なぜ本疾患に合併しやすいのか今も探求中です)などです。 片頭痛全般も興味あることが多いのですが、私は今も特にこの病気に魅せられながら診療と臨床研究を行っています。 一人の患者と出会うことがその後の私の臨床研究を導いてくれるとは当初、思いませんでした。 私の臨床研究は頭痛学の王道ではないことも重々承知しており、むしろニッチな領域ですが我が道に後悔はありません。 これから頭痛学を研鑽する若き人たちにとって、ひよっとすると眼の前の不思議な症状・所見を示す患者さんがその後の研究の方向を決めてくれるかも知れませんね。

【2】 第46回頭痛学会総会演題募集のご案内

会 期:2018年11月16日(金)~17日(土)
会 場:神戸国際会議場
会 長:立花久大(西宮協立脳神経外科病院 名誉院長)
テーマ:頭痛診療と医療連携
http://www.c-linkage.co.jp/46jhs/abstracts.html
現在、一般演題を募集中です。奮ってご登録いただけますようお願い申し上げます。

【3】 日本頭痛学会専門医委員会からのご案内

2018年1月に国際頭痛分類第3版が公開され、現在、日本語版の作成が進められているところです。 また、国際頭痛分類第3版beta版から第3版への主要な変更点については学会ホームページに掲載されています。 2018年8月の頭痛専門医試験では、国際頭痛分類第3版beta版から第3版への細かな変更点を問う出題や、第3版beta版、第3版のいずれの診断基準によるかにより正答が異なる出題はしないこととしていますのでご案内いたします。 専門医委員会では、出題に関する個別の質問には回答を控えることとしておりますが、今年度の事情を鑑みて受験者の皆様にご案内することにしたことを申し添えます。 詳細は、http://www.jhsnet.org/information/20180604_info.htmlにアクセスください。

【4】 群発頭痛の在宅酸素療法の保険適用承認について

日本頭痛学会が,日本神経学会とともに要望しておりました在宅酸素療法の群発頭痛への保険適用ですが,平成30年度診療報酬改定の医科点数表に群発頭痛が在宅酸素療法の適応疾患として収載されました。 2,400点が算定できるようになりましたのでご案内いたします。 国際頭痛分類の診断基準により診断がなされた群発頭痛患者で、頭痛発作が平均1日1回以上ある症例において適用可能です。 在宅酸素療法を必要とする群発患者が適切に本治療にアクセスできるよう周知をお願いいたします。

【5】 最近の頭痛研究トピックス(広報委員会から最新の論文をご紹介)

片頭痛急性期治療としての非侵襲的迷走神経刺激術
Tassorelli C, et al. Noninvasive vagus nerve stimulation as acute therapy for migraine. Neurology 2018 doi: 10.1212/WNL.0000000000005857.
掲載日:2018/07/04

慢性片頭痛患者における視覚刺激後の三叉神経脊髄路核の活性化
Schulte LH, et al. Visual stimulation leads to activation of the nociceptive trigeminal nucleus in chronic migraine. Neurology DOI 10.1212/WNL.0000000000005622
掲載日:2018/06/06

マウスにおけるカフェインの皮質拡延性脱分極に対する影響
Yalcin N, et al. Caffeine does not affect susceptibility to cortical spreading depolarization in mice. J Cereb Blood Flow Metab DOI: 10.1177/0271678X18768955
掲載日:2018/05/08

非外傷性くも膜下出血に伴う頭痛の特徴
Grory BM, et al. Distinguishing Characteristics of Headache in Nontraumatic Subarachnoid Hemorrhage Headache 2018; 58:364-370
掲載日:2018/04/17

詳細は、以下のアドレスを御覧下さい。
http://www.jhsnet.org/zutu_topics.html

【日本頭痛学会 企画・広報委員会】
ニュースレターに関するご意見、お問い合わせは、<info@jhsnet.org>までお願い致します。