U−2−10
カフェイン(単独,併用)は片頭痛治療に有効か

 

推奨
片頭痛発作時におけるカフェイン単独投与の有効性,有用性にはエビデンスがない.カフェインは鎮痛薬の併用薬として有用性がある
推奨のグレード
B〜C  

 

背景・目的

カフェインやカフェイン含有飲料が古くから片頭痛発作時に使用されている.本邦では,カフェイン,無水カフェイン( 0.1-0.3g ),安息香酸ナトリウムカフェイン( 0.1-0. 6 g )が片頭痛治療薬として認可されている.眠気,疲労感,集中力低下などの片頭痛の随伴症状の改善や,鎮痛薬,エルゴタミンなどの片頭痛治療薬の副作用の軽減や薬効の増強の目的で,配合剤として併用されている.


解説・エビデンス

単独で片頭痛発作の急性期治療に有効であるかどうかのエビデカフェインスは乏しい(グレード C ).トルフェナム酸とカフェイン,プラセボを比較した試験では, 100mg のカフェインの片頭痛治療効果はプラセボと有意差がなかった.ただし,トルフェナム酸 200mg は,プラセボより有意に優れているが,カフェイン単剤といくつかの評価項目で有意差がなかった 1)
コーヒーや紅茶などのカフェイン含有飲料が代替療法として汎用されているが,エビデンスは無い. 1 日 200mg 以上のカフェインを 2 週間を超えて慢性的に使用していた場合,カフェインを中断した時におこる頭痛は 100mg のカフェイン投与により軽快する.この頭痛は通常拍動性であるが,片頭痛と区別してカフェイン離脱頭痛( ICHD-II #8.4.1 )に分類される 2) .カフェイン投与による対症療法よりも,カフェインからの完全離脱による治療が推奨される.
また片頭痛急性期治療薬の併用薬としてはカフェインの有用性が示されている(グレード B ).
1998 年 Lipton ら 3) は,アセトアミノフェン,アスピリン,カフェイン配合剤が片頭痛発作時急性期治療にプラセボより有意にすぐれていることを 1220 例の片頭痛患者が参加した RCT で示し,これまで経験的に使用されていたいわゆる AAC 処方(アセトアミノフェン,アスピリン,カフェイン配合剤)の有効性のエビデンスを提示した.また, AAC 処方 ( アセトアミノフェン 500mg ,アスピリン 500mg にカフェイン 130mg) が重症片頭痛発作においてもプラセボより有意に片頭痛を改善したとの報告 4) ,月経関連片頭痛における AAC 処方の効果が報告 5) されている.NSA IDs とカフェインの併用ではトルフェナム酸 200mg とカフェイン 100mg の有効性が示されている 1)
インドメタシン 25mg とプロクロルペラジン 4mg にカフェイン 75mg の併用による頓挫療法がスマトリプタンよりも有効であったとの報告 6) ,ジクロフェナク 100mg とカフェイン 100 mgの併用はジクロフェナク 100mg 単剤またはプラセボに比して有意に片頭痛発作を改善させることが示されている 7) .エルゴタミンにカフェインを併用するほうが有用であると経験的に考えられているが,明確なエビデンスはない.

参考文献のリスト

1) Hakkarainen H, Parantainen J, Gothoni G, Vapaatalo H. Tolfenamic acid and
  caffeine: a useful combination in migraine. Cephalalgia 1982; 2(4):173-177.
2) Headache Classification Subcommittee of the International Headache Society.
  The International Classification Of Headache Disorders; 2nd Edition. Cephalalgia
  2004; 24 (suppl 1):1-160.
3) Lipton RB, Stewart WF, Ryan RE, Jr., Saper J, Silberstein S, Sheftell F. Efficacy
  and safety of acetaminophen, aspirin, and caffeine in alleviating migraine
  headache pain: three double-blind, randomized, placebo-controlled trials. Arch
  Neurol 1998; 55(2):210-217.
4) Goldstein J, Hoffman HD, Armellino JJ, Battikha JP, Hamelsky SW, Couch J
  et al.
Treatment of severe, disabling migraine attacks in an over-the-counter
  population of migraine sufferers: results from three randomized, placebo-
  controlled studies of the combination of acetaminophen, aspirin, and caffeine.
  Cephalalgia 1999; 19(7):684-691.
5) Silberstein SD, Armellino JJ, Hoffman HD, Battikha JP, Hamelsky SW, Stewart
  WF et al.
Treatment of menstruation-associated migraine with the
  nonprescription combination of acetaminophen, aspirin, and caffeine: results from
  three randomized, placebo-controlled studies. Clin Ther 1999; 21(3):475-491.
6) Di Monda V, Nicolodi M, Aloisio A, Del Bianco P, Fonzari M, Grazioli I et al.
  Efficacy of a fixed combination of indomethacin, prochlorperazine, and caffeine
  versus sumatriptan in acute treatment of multiple migraine attacks: a multicenter,
  randomized, crossover trial. Headache 2003; 43(8):835-844.
7) Peroutka SJ, Lyon JA, Swarbrick J, Lipton RB, Kolodner K, Goldstein J. Efficacy
  of diclofenac sodium softgel 100 mg with or without caffeine 100 mg in migraine
  without aura: a randomized, double-blind, crossover study. Headache 2004;
  44(2):136-141.

検索式・参考にした
二次資料

検索 DB :  PubMed (04/12/1, Reference Manager より )
{migraine} or {vascular headache}
&  { Caffeine } OR {Coffee}
&  { Therapy } OR {Treatment} 234 件
主要文献  49 件
7件採択